修羅と荊の道を行け
ぼんやりとオレを見ていた咲耶が突然、椅子ごと後ろにひっくり返った。

そのまま逃げようともがく咲耶を捕まえようと、手を伸ばすとした。

「ぐっ」

肩を捕まえた瞬間、咲耶のひじ鉄を腹に喰らった。

意識を持っていかれそうな鋭いひじ鉄だが、なんとか堪え肩を掴んだ。

「逃げんな」

それでもばたつく咲耶を落ち着かせようと抱きしめた。

「話を聞いてくれ、頼む」

そこで、逃げ場がないと悟ったのか、動きが止まった。
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