修羅と荊の道を行け
荊道4
「ごめんねぇ、オレ、オート倍返しのアビリティーついてるんだ。こっちに非がないときに攻撃されると発動する」

腹と肩の痛みで息が出来ない。

頭の上から聞こえるのは咲耶の声だけど、そこから感じるのは敵意だけだ。

どこからこんなことになった。

「氷樹、天歌、行くぞ。第三会議室が空いてるはずだ。部外者は入れない」

咲耶は行ってしまった。

痛みで意識が流れそうなるのを堪えてオレは、記憶を巻き戻した。

咲耶はオレの家に泊まってからよく家に来てくれて、食事や洗濯までしてくれるようになった。

通い妻の様な行動は咲耶が全てオレのモノになった感覚を起こさせた。

けどまだ。咲耶としてない。

咲耶の匂いが増えていく中でオレはますます右手の世話になることが増えた…。
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