修羅と荊の道を行け
千鳥も嘘がつける程、器用な女じゃない。

「そんな…まさか」

お願い信じてと千鳥の目から涙が零れた。

それが嘘とは思えなかった。


でも咲耶のことを信じてもいた。

咲耶を思って電話をかけた。

頼む出てくれ。

「はい。どうしたの?」

「仕事中すまない。聞きたいことがあったんだ。昨日、ムーンライトに飲みに行ったか?」

そのバーは咲耶のお気に入りでオレも何度も行った。

「行ったけど?氷樹ちゃんも」

「そこでオレの会社の後輩にあったか?」

「やっぱりあの子、後輩だったんだ」

千鳥の言うことは正しかった。

「わかった。じゃあな」

ケータイを切って。肩を落とした。

「浪川、あの人と別れた方がいいよ。あんなキレる人といても幸せになれないよ」

千鳥の言葉に何も言わずオレは、会社に外に行ってくるとだけ伝えて外にでた。
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