修羅と荊の道を行け
向かうのは決まっている。

アートフロンティアだ。

今日は打ち合わせをすると昨日メールで聞いていた。

アートフロンティアの簡単な打ち合わせは一回のロビーの一角に作られた小さなラウンジでやっていることが多い。

一階にはアーケードゲームを置いていて、誰でも一階にまでなら入って遊べるようになっている。

咲耶は、ラウンジで漫画家先生と一緒に何か話していた。


｢んふふ、これ絶対面白いよ｣


咲耶は嬉しそうだ。

いつもなら可愛いと思ってしまうのにそんなことを思う余裕すらなかった。

｢咲耶！｣

咲耶の前に立つと咲耶は目を丸くした。

｢どうしたの？仕事休み？｣

｢こんにちは｣

漫画家先生にされた挨拶も返さないままオレは咲耶に詰め寄って。

｢お前、酔ってたかもしれないけど、人に怪我させるってどういうことだ！｣

｢は？｣

｢とぼけるな！昨日、ムーンライトで千鳥、オレの後輩で会っただろ！グラスを投げつけて怪我させるなんて何考えてんだ！｣
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