修羅と荊の道を行け
漫画家先生は昨日の晩の真実を話してくれた。

千鳥に咲耶は何もしていないわけではないが、怪我を負わせていないという。

漫画家先生と咲耶と今一緒にいる作家先生も証人だ。

オレは自分がしてしまったことを後悔した。

「あはは、めっちゃ後悔してるでしょ。ばかな子、考えたらすぐ分かることなのに、超ウケるんですけど」

今までの雰囲気が嘘のように大笑いを続ける漫画家先生をオレはア然と見ていた。

「終わったわねぇ多分。あんなに悩んでようやく付き合えるようになったのに、ご愁傷様」

女悪魔の笑みだった。

「あなたも嘘つくなら場所を考えなさい。証人がいるところでの嘘をつくなんて、子供みたいね。デフォルメして漫画にして良い?」

「やめてください…わたし…」

「男の子の心って単純なんだけど頑ななのよ。浪川くんはさっちゃんに一途に恋してる。例え、フラれたとしてもあなたに靡くなんて男じゃない」
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