SKY
ずっと靴箱の前にいたのは、どうやらどこに靴を入れたらいいかわからないからみたい。


「ここじゃない?あたしは昨日、この下に入れたの。」

「ありがとう。」


初めて未来ちゃんの顔を見た。目がぱっちりしてる。ほっぺにあるにきびが少しかわいかった。


「ねえ、きのうからおもってたんだけど・・・」

「なあに?」

「名前、何て読むの?」

「あたしの名前ね。“くすだみく”だよ。よく“みらい”って読む人がいるんだけどね。あたしの名前、一発で読めた人なんて、数え切れるほどしかいないから。」

「そうなんだ。みくって、かわいい名前だね。あたしは、“わたなべゆい”だよ。」

「優衣ちゃんかあ。そっちこそ、いい名前。」


この会話が、これから何年にもわたっていく未来との友情の始まりだった。
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