LOVERS -Girls Side-


 口角を思いっきり上げで、椅子から立ち上がり胸を張る。
そして、翔平の目の前で腰に両手を当てて、フフンッと鼻を鳴らす。

「だーっもう!! もったいつけてんじゃねーよっ」

「何と、何と、私。新記録が出ちゃいましたっ」

 そう言って、右手で人差し指を立て左手は、漫画の世界ならドーンッと効果音が書かれるんだろう―――手の平を思いっきり広げて見せた。

「おっお前まさか…」

 私の行動に気づいたのか、翔平は力ない人差し指で私の手の平を指示す。
その翔平の顔ったら、嘘だろ―――って言わんばかりの表情してる。

「そう…そのまさか!!」

 再び両手を腰に当てて、勝ち誇った顔を翔平に向ける。

「15点! 15点取ったのー!! 新記録達成ーーー! はははははっ」

 甲高い笑い声を上げたら、翔平の肩がガックリと下がったのが分かった。

 悔しそう、今日は勝った!!
これ以上は何も言えないなぁ、こいつ。

「まっ負け…た…。15点…って、俺がこいつに負けるなんてことがあんのか…」

「ほーら、これで分かったでしょー? 1番馬鹿なのは誰かってことが~」

「うっうるせーー!! まぐれじゃねーか!! ま・ぐ・れ」

「なぁ~んか、言ったぁ? 負け惜しみぃ?」

 耳元に手を持ってきて、声が聞こえなかった―――っと態度で示す。
すると翔平がいつものように―――。

 ピシッ!!

「ったぁーーーい!!」

「お前が、この程度で調子に乗ってっからだっ」

 ジンジンと痛みが広がっていく額を両の手の平で押さえ、キッと翔平を睨みつけた。


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