LOVERS -Girls Side-
* * *
「なっかなか、見つからないなぁ。どこ行っちゃったんだろう…」
「クラスの皆にも聞いたけど、手がかりなかったし」
―――放課後―――
クラスメイトがいなくなった教室に、ひとみちゃん、景子ちゃんと私の3人だけが残っていた。
私は自分の席に座り、景子ちゃんとひとみちゃんは両隣の机に浅く腰掛けていた。
2人とも、腕を組み頭を悩ませてる。
私の不注意で失くしてしまったのに、2人に迷惑かけてしまって―――。
「こらっ!」
ふいに、こつんと頭をひとみちゃんに小突かれて、無意識に下がってた視線を上げた。
「また迷惑かけちゃって…なぁんて、思ってるでしょ」
「……そ…れは…」
「まったく、毎回言ってるけど、そういう風に思わなくていいんだってば」
ひとみちゃんは腰に手を当てて、眉間に皺を寄せている。
「そうだよ。友達でしょ、私達。困った時はお互い様」
その言葉と一緒に、景子ちゃんの長い指先が私の頬を軽く数回突いたあと、にっこりと微笑む。
「よしっ。また一から同じ場所探していこう」
「そうね。見落としてる所もあるかもしれないわね」
ひとみちゃんと景子ちゃんが、今まで探してきた場所を紙に書き出し始める。
その時、ひとみちゃんがあっ―――と声を上げた。
「景子、あんた塾は?」
「え? あぁ…まだ大丈夫」
そういえば…景子ちゃん、毎週この曜日は早めに学校を出てた…。
時計をふと目にしたら、いつもならもう景子ちゃんはとっくに学校を出ている時間に。
「景子ちゃんっ…私の事はいいから行って」
「大丈夫だって。あと30分は一緒に探せるから」
景子ちゃんは時間を確認して、笑顔でそう言うけれど―――。