LOVERS -Girls Side-



 林翔平(はやし しょうへい)

 彼は短かめの髪を金に染め、見るからにお調子者でやかましい顔つきで、笑顔が絶えない奴。
人見知りなんて全然しない性格だから顔は広い。
 私とは子供じみた喧嘩もよくする、保育園の頃からの腐れ縁。
っというか、家が隣同士なので嫌でも顔合わせてしまう。
 そして、たまに私の家で、ただ飯を食べていく図々しい男なのです。
 まぁ、私もたまに翔平の家に上がりこんで、ちゃっかりおばさんの美味しい手料理を頂いてますが…。

 私達4人は、中学の頃から何かと一緒にいてバカ騒ぎして―――っというのは、私と翔平だけで。
いつも喧嘩をすれば、景子に叱られ春香がなだめてくれる。
 こして日々を過ごし、4人共―――私と翔平はギリッギリ…高校生活2年目を迎えた。

 1年の時から同じクラスだから、何ら変わりはない。
そう思っていた矢先、クラス名簿を見てザワザワと騒ぎ始めたクラスメイト達を首を傾げ見る。
皆が皆、名簿を覗き込みながら、女子は黄色い甲高い声、男子はまじかよ―――っと呟く。
 何が?―――っと私も名簿を覗き込み、ある"2人"の名前が目に入った。

 東海林智信(とうかいりん とものぶ)
 吉沢学(よしざわ がく)

 瞬間―――ウワッとついつい、口に出してしまった私とは対照的に、私と同じように名簿を見る翔平の目はキラキラと輝いていた。


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