オタカノっ!
突然後ろから聞こえた声。
俺と悠木は振り返ると、見覚えのあるような無いような顔が俺たち二人の後ろにいた。
そして、その子を見た瞬間、俺達の周りにいた女の人たちは騒ぎ出した。
「やだかわいいー!!」
「でもなんかちょっとかっこいい!!」
「えええええ!!やだー!!この学校の女子ハーレムじゃない!!」
俺と悠木は目を見合わせて、首をかしげる。
そしてその男は、笑顔で言葉を発した。
「お姉さんたちのほうが可愛いよ?
それに、僕みたいな男は、かっこいいって言われた方が嬉しいんだけど…」
少し寂しそうに上目遣い。
「「「「「きゃあああああああ!!!!」」」」」
「ごめんね、お姉さんたち。
僕たち急いでるんだ!」
そして、その男の子は俺達の手を引っ張り、クラスの人たちが待っているとこへ行った。こいつ誰だよ…。
体操服、ジャージ姿だ…。
そして、クラスのとこへ行くと、皆が俺たちを羨ましげに見ていた。
「モテ男は辛いなー」
「俺もキレイなお姉さん方に囲まれてーよ!」
俺が反論しようとしたとき、隣にいた男が喋りだした。
「僕たち男子は、クラスの女子で充分なんじゃない?
だって、こんなに可愛い子がたくさんいるんだもん」
一番近くにいた女子を引き寄せる。
「僕たちみたいな男子には、勿体なさ過ぎるよ?
ね…?渚…」
「え、あ、あの…///」
最後に耳元で囁かれた女子(渚と言うらしい)は、林檎のように真っ赤になった。
「そこら辺にしときなよ、
咲樹」
.