オタカノっ!
手を繋ごう。
…ちなみに、俺は咲樹の親友のあゆのことを、苗字の涛川[ナミカワ]と呼んでいる。
涛川は、成績は下からの方が数えやすく、テストが終わればいつも補習。
運動は、していたところを見たことがない。
そして、運動や学習のことを気かれると、いつも笑顔で、そんなものできなくても生きていける、という。
先生もたじたじだ。
だが容姿は端麗で、それが幸いしてか、頭がいいだろうと勘違いされ、クラスの学級委員などにもよく推薦され、推薦された委員会はよく泣きを見ている。
学級委員になんかなった日には、クラスの全員が疲れたサラリーマンみたいな顔をする。
理由は、彼女の毒舌さ加減や、いい加減な発言の突っ込みなどでだ。
何で詳しいかって?
そりゃ、同じ中学校出身だからな。
「おい、1年5組のものたちよー!
そろそろ校外合宿だぞー!」
そう、この学校は行事が盛んで、意味もないことをよくやるのだ。
金があり余っているらしく、クラス別に合宿をできるのだ。
それも好きなだけ。まあ、合宿と言っても「皆仲良くなっちまおうぜ!!」って会だ。
「涛川ー!司会進行しろー!」
「あたしが?」
涛川は微笑んではいるものの、かなりめんどくさそうにしている。
ちなみに、涛川は、今うちのクラスの学級委員をしている。
あーあ。
俺知らない。
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