素直な君が好き。

でも、愛子はめったに学校にこない。
普段は何をしてるかは何となく予想できるから聞かない。
彼女は夜行性だから。
昼間の学校にはなかなか顔を出しにくいのである。

「愛子さー、同い年の男の子とか興味ないの？」
「同い年の子？無理～。だってガキじゃん。」
「まぁー･･･そうだけど。きっと愛子には新鮮だよ！」
「そうかなぁ～」

愛子は自慢のサラサラの髪を指先でクルクルと巻きながら話す。
こんな大人っぽい子と釣り合う同い年の子はやっぱりいないかもしれない･･･。

「智子はどうなのよ？智子だって彼氏いないでしょ？」
「私はいいの。まだ失恋の痛手から立ち直ってないから。」

私はつい最近１年近く付き合っていた彼氏と別れた。
お互いのことがよくわからなくなったから。
大好きだったけど、友達に戻ることにした。
恋の終わりはいろいろある。
好きなのに別れなくてはならないことだって、嫌いになって別れることだって、様々な終わりがくる。

誰だって恋の終わりには悲しむものだ。
でも、愛子は違う。
彼女は決して悲しまなかった。
それは本当の恋をしてないから。
愛子自身がよく言っている。

「私は人一倍傷つくことを恐れてるの。だから、わざわざ自分が悲しむようなことはしない。」