素直な君が好き。
隆と付き合いだした愛子はとても幸せそうだった。
今まで見たことないような愛子がいた。

「今日は原宿にクレープ食べに行くんだ。」
「また、隆の初ですか?」
「まぁね。隆、本当に世間知らず。バスケのことしか頭にないみたい。」
「でも、今は愛子のことで頭がいっぱいそう。」
「彼は、一つのことしか考えられない単細胞なの。バスケか私のことしか考えてないみたい。」

こんなにも単細胞な人がいるんだって思うほど、隆は一つのことしか考えられない人だった。
そして、そんな彼に愛子は悩んでいたりもした。

『一つのことしか考えられない彼だから、私が何を望んでいるかは言葉にしないと気づいてくれないの。』

大人な恋しかしてこなかった愛子には、このまっすぐな恋は理解するのに苦労していたみたいだった。
でも、私から見てもわかったことは、愛子自身が本当の恋をしているということだった。
この恋は上手くいってほしいと私は心から思った。



愛子と隆が付き合いだして3週間すぎた時、愛子から相談をされた。

「最近、隆がそっけないの。愛子は会いたいのに、隆はなかなか部活であってくれない。会っても疲れてるみたいで、すごい私が反省してるの。」

愛子は寂しそうな顔をした。
こんな愛子を見るのははじめてだった。
私は、単細胞の隆のことだから本当に忙しいんだよって言ったが、その4日後

愛子から「別れた」という連絡をされた。
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