あたしはまだまだガキだから
「・・・・・・あれ?
たっちゃんじゃない?」
きょとんとしたあたしの前には、鏡で髪をセットしている和くんがいた。
「そーんなに達兄が好きかよ?」
あたしのことを馬鹿にして、機嫌良く髪をいじる和くん。
「そっ、そんなんじゃないもんっ!」
「・・・たっちゃんは、
あたしのことなんて、
そんな風に見てくれてないよ・・・」
たっちゃんは、
あたしの好きな人。
昔からずっとずっと好きな人。
家はお隣さんで、幼馴染み。
たっちゃんはそんな風にあたしを見てはいないだろうな。
それでもあたしは
笑っているたっちゃん、
怒っているたっちゃん、
泣いているたっちゃん、
いろんなたっちゃんを
見てきた。
たっちゃんに彼女が出来た時も・・・。
全部と言ったら何だけど、
たっちゃんのことが大好き。
小さい頃からずっとこんな
想いを抱いてきた。