君と出逢って
転入生
こないだ高校に入学したばかりだというのに、もうあと少しで夏休み直前という時期になってしまった。


クラス中のやつらが狙っていた窓際の、しかも一番後ろという席を獲得することができた俺は、授業中はいつも居眠りしている。


この席は窓を開けると、日当たりも風もちょうどいいので、3秒で寝てしまえる。


今日も登校しただけで汗がだくだくになってしまった俺は、教室の窓を開けて寝ていた。


「りゅーう・・・龍ッ!!」

「おっ・・・あぁ、悪ィ・・・何?」

「だーかーらー、今日このクラスに転入生が来るんだってさっ!!」


あぁ。だからか・・・


どうりでこんなにクラスが騒がしいワケだ。


クラスメイトたちは、転入生の話で盛り上がっている。


「だから、何?」

「何って・・・気になんねぇの?どんな子が来んのかなーとかさぁ・・・」


どうでもいいだろ、そんなコト。


「興味ねぇ」


転入生なんてどうでもいい。


「ホント龍ってなんにも興味ないよな!女にも興味ないし。お前モテんのにもったいね~」


そういって友達は他のやつらのところに行ってしまった。
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