きっと会えるよ。
とてとてと小走りで叶のもとへ行く。
ちなみに、今叶がいるのは1階の保健室。
あたしがいた校舎裏とは、目と鼻の先だったりする。
叶は、あたしに向けていた視線を少し、ほんの少しだけ下に下げると、あたしの腕触れた。
「…怪我、してる」
ゆっくりと、まるで腫れ物でも扱うかのように。
あの子を庇ったときにかすった、小さな傷。
それを叶が、本気で悲しいものみたいに見つめるから、ちょっとくすぐったかった。
そんな他愛もないことが愛おしくて、思わず笑みがこぼれる。
「ヘーキだよ、このくらい。叶こそ、大丈夫なの?」
大丈夫、と叶が笑う。
最近調子いいから、と。
意識の奥で、チャイムが、鳴った―――。