恋×愛㊤


「宮本ってなんで私立じゃなくて県立高校に入学したんだ?」


あれ?なんかヤバいこと聞いた?



すげー寂しそうな顔してんだけど。



「私、中学受験で落ちちゃったんです」



悲しそうにポツリと言う宮本。



やっぱ聞いちゃまずかったのか?



「中学が市立だったのでこの際高校も私立じゃなくて県立でもいいかなと思って」



結構苦労してたんだな…宮本は。



「でも、やっぱ県立にして良かったと思います」



「どうしてだ?」



「だって、知香ちゃんにも先生にも、それと沖田さんにも会えたんですから」



さっきまでの悲しそうな顔は何処へいったのか。





落ち着いた笑みを浮かべてた。




「ならいいんだけどさ」




その後は無言。



音楽しか聞こえない。




「スゥースゥー」



気がつくと宮本は俺の肩にもたれ掛かりながら眠っていた。



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