君は愛されているんだよ

「そもそも,どうして俺は自殺出来なかったんだよ!!!!!!!」―――。

秀樹が二人に怒鳴りつける。

「どうしてって言っても......。」
愛果は其れ以上言葉が出ない。

暫く,愛果と祐里は言葉が出なかったけれど,祐里が信じられない言葉を口に出したの。

「秀樹君,あんたが自殺でけへんかったのは,あんたが“必要な人間”やからなんよ。」―――。
まさか,祐里の口からそんな言葉が出るなんて想像もしていなかっただけに,愛果は何も言えなかったよ。でも,彼女の言葉ほど,心にぐさっと来たものは今迄一度も聞いた事が無い。

祐里からの言葉にぐさっと来たせいか,秀樹も暫く何も言えなかった。
「こんな俺が“必要な人間”な筈無いだろぅ!!!!」,そう言いたかった雰囲気はあったけれど,秀樹は祐里に逆らえそうにも無かった。

そして―――。
「祐里,愛果,色々心配懸けて本当にごめん!!!!
俺,“必要な人間”として生まれて来たっていう事をやっと解ったから,自殺未遂をやったって事,本当に反省するよ!!!!」。
秀樹は泣きながら二人に謝った。

秀樹の意識が戻ってから数時間後,彼の両親が病院にやって来た。
「入院してから数時間後に来るなんて,非常識やろぅっ!!!!!!!」と言いそうになっていた祐里だけど,彼女はその感情を抑えて,静かに両親を待った。

「秀樹!!!!!!!!!!!!!!!」―――。
自殺未遂をやったという連絡は,彼の両親にも届いたらしく,申し訳無いという気持ちで,両親は秀樹に抱き付いた。「秀樹君に色々と悪い事をしちゃったの,許してくれ......。」,涙を流す両親。
そんな両親に,秀樹はこんな事を言った。