君は愛されているんだよ
生徒会の立候補者は中々出ない―――。
「どうせだったら,愛果ちゃん出たらどうなの?」
後ろの席に座っている藤沼絵梨花が,余計な事を話し掛ける。絵梨花は幼稚園の頃から一緒だったけど,ちょっと強引な部分があって,私にはどうも苦手だ。
「絵梨花ちゃん,無茶な事言わないでよ。愛果,勉強もスポーツも全然ダメだし,おまけに全然しっかりしてないもん。」
「何言ってるの!愛果ちゃんは私よりずっと勉強出来るし,体育祭の時は,リレーで大活躍したじゃないの。」
「えっ!?私,全然活躍してないよ。どうせだったら,元気な絵梨花ちゃんが生徒会に立候補したらどうなの?」
絵梨花とこそこ話していた途端,先生が,
「こら,小林と藤沼は何ぼそぼそ喋ってるんだ!!!!!」て罵声をあげた。
「あぁ~あぁ~,絵梨花ちゃんの前の席に座ってるせいで,後ろから声掛けられちゃったぁ......。」そう思ったけれど,敢えて言わない事にした。
それを言っちゃうと,絵梨花ちゃんが傷付くからね。
間も無く,1時限目が終わろうとしている。
それなのに,立候補者は一人も現われない。若し,立候補者が現われなかったら,先生が勝手に決めてしまうそうだ。くれぐれも,先生に無理矢理立候補者にさせられる事だけは避けたい。だけど,自分から立候補するなんてとてもじゃないけど出来ない。そんな2つの思いで,愛果の頭は一杯だった。
「よぅし,立候補者が出ないみたいだから,俺が勝手に決めちゃうぞ!!!!!」
三野先生が声を張り上げて立候補者を選び出そうとしたその時―――。
「先生,祐里が立候補します!」
机を立ったのは祐里。思いっきり手を挙げて,黒板に名前を書く。
余りにも元気な声だったので,クラス中がシーンとなってしまった。
「みなさん,私,田中祐里は,生徒会の立候補者として,地道に活動して行きたいと思いますので,これからも応援して下さい!以上!!」―――。
まさか,祐里が立候補者になるとは思わなかっただけに,暫く声が出なかった。
「どうせだったら,愛果ちゃん出たらどうなの?」
後ろの席に座っている藤沼絵梨花が,余計な事を話し掛ける。絵梨花は幼稚園の頃から一緒だったけど,ちょっと強引な部分があって,私にはどうも苦手だ。
「絵梨花ちゃん,無茶な事言わないでよ。愛果,勉強もスポーツも全然ダメだし,おまけに全然しっかりしてないもん。」
「何言ってるの!愛果ちゃんは私よりずっと勉強出来るし,体育祭の時は,リレーで大活躍したじゃないの。」
「えっ!?私,全然活躍してないよ。どうせだったら,元気な絵梨花ちゃんが生徒会に立候補したらどうなの?」
絵梨花とこそこ話していた途端,先生が,
「こら,小林と藤沼は何ぼそぼそ喋ってるんだ!!!!!」て罵声をあげた。
「あぁ~あぁ~,絵梨花ちゃんの前の席に座ってるせいで,後ろから声掛けられちゃったぁ......。」そう思ったけれど,敢えて言わない事にした。
それを言っちゃうと,絵梨花ちゃんが傷付くからね。
間も無く,1時限目が終わろうとしている。
それなのに,立候補者は一人も現われない。若し,立候補者が現われなかったら,先生が勝手に決めてしまうそうだ。くれぐれも,先生に無理矢理立候補者にさせられる事だけは避けたい。だけど,自分から立候補するなんてとてもじゃないけど出来ない。そんな2つの思いで,愛果の頭は一杯だった。
「よぅし,立候補者が出ないみたいだから,俺が勝手に決めちゃうぞ!!!!!」
三野先生が声を張り上げて立候補者を選び出そうとしたその時―――。
「先生,祐里が立候補します!」
机を立ったのは祐里。思いっきり手を挙げて,黒板に名前を書く。
余りにも元気な声だったので,クラス中がシーンとなってしまった。
「みなさん,私,田中祐里は,生徒会の立候補者として,地道に活動して行きたいと思いますので,これからも応援して下さい!以上!!」―――。
まさか,祐里が立候補者になるとは思わなかっただけに,暫く声が出なかった。