奴は意地悪
ー昼休みー
私が体育館裏にいくと、そこには
誰もいなかった。緊張の糸が切れたと思ったその瞬間、誰かの足音が聞こえた。
足音が背後でピタッと止まった。
私が振り返ると、そこには一人の男の子が立っていた。
いかにもかわいいって感じの。モテるだろうなと思った。
その男の子はいきなり私の名前を呼んだ。
「京野先輩♪」
先輩と呼んでいることから、1年生だと分かった。
「聞いてます?先輩!」
「は、はい?」
「かわいい顔してるんだからそんな返事だめですよ。」
「は、はい。」
「俺は、神野樹コウノ ダイキ。1年です。よろしく。」
「よろしく。ところでなんで、私と皐祐と付き合ってるのを知ってるの?」
「結構噂流れてるのでたぶんみんな知ってると思いますよ。」
「そ、そうなの?」
「はい。ところで先輩俺と付き合いませんか?」
何言ってんの?私が皐祐と付き合ってんの知ってるはずでしょ。どうして?
ー