ネバーランドへの片道切符
あげた日から、私は毎回彼の腕を見て、私の腕時計を着けているか確認するのが日課になっていた。


彼は、ちゃんと姉じゃなく私の時計を着けてくれている。


私の望み通り大切に使ってくれた。


もう、私のあげた時計は、彼の一部となっている。


大きな進歩。


身に着ける赤色の時計を見るたびに、
それだけで、幸せで自然と笑顔になれる。


自分でニヤニヤして気持ち悪いとか思うケド……止まらない。


これから、彼は、時計を見るたび。
マユじゃなくて私を思い出してくれる。


ねぇ、時計を着けてくれたってことは、マユを忘れようとしていんだよね。


ようやく、私の存在に気づいてくれたんだよね。


マユより私を選んだんだよね。


私は、もう彼女になる準備整っているよ。


なーんて。


……でも、腕時計がフラグで、そんなことが現実に起こる可能性もあるんじゃない?


あはははは。
傑作だね。


とにかく、この数日間私の気分は良かったんだ。


そう、このときがネバーランドの住人である私のピークだった。
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