どこかで誰かが…
それからのエピソード
佳菜子は、出てはもらえぬ携帯に電話やメールを送り続けた。
しかし、
大沢からの返事はこない。
いっそのこと、大沢の家まで行って待ち伏せした方が確実に会えそうなのだが、
会いにまで行って、突き返されたなら…
それが怖くて、その一歩が踏み出せなかった。
高校3年を目前の春休み
午前中の練習を終え、
「じゃーね。」
「んー!お疲れ〜!」
佳菜子が部室を後にすると、
「…佳菜子、結局別れちゃったの?」
「自然消滅ってやつ?」
待ってましたとばかりに語り始める女子部員達。
「自然消滅って意味が分からないんだけど。なんで食い下がらないのかなぁ?」
「ホント!バスケしてる時とは大違いだよね…」
「次つきあうなら、バスケ部員がいーよ、きっと!」
「…でも、まさかこんなことになるとはね…」
そう思っているのは、誰よりも、佳菜子自身だったに違いない。
そのうち、ほとぼりが冷めた頃、またメールが届くと信じる佳菜子は、
それまでの、大沢からのメールに目を通してみたりする。
そこには、二人が“つきあっている”様子が克明に記されていて…
それまでの大沢との日々を思い浮かべ、ふと思うのだった。
“私は大沢の気持ちに、きちんと応えることができていたのだろうか?”
しかし、
大沢からの返事はこない。
いっそのこと、大沢の家まで行って待ち伏せした方が確実に会えそうなのだが、
会いにまで行って、突き返されたなら…
それが怖くて、その一歩が踏み出せなかった。
高校3年を目前の春休み
午前中の練習を終え、
「じゃーね。」
「んー!お疲れ〜!」
佳菜子が部室を後にすると、
「…佳菜子、結局別れちゃったの?」
「自然消滅ってやつ?」
待ってましたとばかりに語り始める女子部員達。
「自然消滅って意味が分からないんだけど。なんで食い下がらないのかなぁ?」
「ホント!バスケしてる時とは大違いだよね…」
「次つきあうなら、バスケ部員がいーよ、きっと!」
「…でも、まさかこんなことになるとはね…」
そう思っているのは、誰よりも、佳菜子自身だったに違いない。
そのうち、ほとぼりが冷めた頃、またメールが届くと信じる佳菜子は、
それまでの、大沢からのメールに目を通してみたりする。
そこには、二人が“つきあっている”様子が克明に記されていて…
それまでの大沢との日々を思い浮かべ、ふと思うのだった。
“私は大沢の気持ちに、きちんと応えることができていたのだろうか?”