どこかで誰かが…

それにしても、
自然消滅というのは、どうにも身動きの取れない、厄介なモノだ。


これといって、佳菜子に浮いた話があったワケではなくて…


「ちょっと聞いてよ〜。この前、元カレに会ったんだけどさ、」

「元カレって…例のグレーの？」

「あはは、そうそう！」

「どーしたの？」

「あっちは独りだったんだけどね、」

「清瀬と一緒の時？」

「うん。なんか、ずーっと見られてたみたいでさぁ、」

「やだー！ゆっこちゃんに未練って感じ？」

「それがさ、昨日、電話があってね、」

「うんうん。」

「あたしに彼氏がいて安心したって。」

「は？」

「あたしが楽しそーにしてて、彼氏もイーヤツそーだったてさ！」

「何ソレ〜！どんだけ上からなの？」

「心配しながら、自分にはちゃっかり彼女が居たらしいし。」

「カッコイーの？」

「…まあまあかな？」

「でも、ちょっと…」

「イタイ感じでしょ？」


「私は勘弁だなぁ、そーゆーの。」

「…でもさ、ハッキリしないままだと、そーゆーことなんだよ。佳菜子もさ、心のどっかで大沢くんのことが引っ掛かりながら…これから先、新しい出逢いと向かい合っていくんだよ。」

「そっか…（高木くんのことがそーだったっけ…あ、だからか…だからバチが当たったんだね。）」