どこかで誰かが…

エピソード４

大学生になった佳菜子は、
サークルなどにも積極的に参加して、新しい交友に交遊と、校友関係の幅を広げていた。


知ってのとおり、人が集まる場所に自分から入っていくタイプではない佳菜子は、はじめは特に、サークルにも入るつもりなど無かった。

しかし、

“籠球馬鹿、さあ！来る？”

というチラシをみつけ…

バスケとなると、積極的になれたことが良かったのだろう。


すぐにも練習場所に顔を出してみると、
そこでは、レベルも違う男女混合のチームが、互いの足りないトコロを補い協力しながら、試合形式の練習を楽しんでいた。


その様子を見て、久しぶりに身体中の血が騒ぐのが分かった佳菜子は、頼み込む勢いで入会を希望し、
快く受け入れてもらって今に至ると言うわけだ。


こうして、

“友達”や“仲間”意識に専念しながら、キャンパスライフとサークル活動を気軽に楽しんでいるうちに、
気が付けば、季節は夏になっていて…

個人的に親しくしていく相手を探す者も出てくる中、

今の状況を有意義に過ごす佳菜子にとって、
ピンッと来ない会話が繰り広げられることとなる。


それは、青山の美容室に友達を紹介した時のこと…


「また、前とは違う髪型だね。」

「うん。もう、髪質とか分かってくれてるから、いつもオマカセなの。未央里ちゃんも、思い切ったね！」

「夏だからね！バッサリいっちゃった！」

「彼氏、ビックリするんじゃない？」