どこかで誰かが…
そんな、他愛ない話しばかりで、いつしか時間は過ぎていった。


「おっしゃ、帰るか!」

「うん。だな。」

「あ、モッチーって今日もチャリ通?」

「あー。」

「じゃあ、送ってよ。」

「いーよ。」

(えー?!ゆっこちゃん、それはマズイよ!)

「あ、高木さぁ、佳菜子のことお願い。電車一緒でしょ?」

「ん。じゃなぁ。」

「じゃ、明日。」

「バイバイ佳菜子!」

「えっと、」

「行くぞ。」

「あ、う、うん…」


まさかの展開に、どーしたものか、ただ無言になるだけの佳菜子。


そんな状態が続き、しばらくすると、高木がたずねてきた。


「清瀬ともこんな感じ?」

「なにが?」

「一緒に帰るとき!話しとかってしないの?」

「そんなことないけど…話すこと無ければ、こんな感じかなぁ。」

「…祭りの時さ、おまえ言ったじゃん。思い出したら言ってくれって。」

「あー、あたしの変なとこ?」

「変って言うか、意外と言うか…おまえと清瀬の組み合わせが不思議なんだけど。」

「?そー言われても、生れた病院も幼稚園も、何故か、ずーっと一緒だからねぇ。」

「スゲー。ホントに幼なじみなんだなぁ。」

「個人的に一緒に遊んだりしてたワケじゃないけどね。」

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