どこかで誰かが…
「おまえだってフリーターじゃねーかよ。」

「チェッ!あのさ、人のこと心配してる場合じゃねーぞ。堀口、気になる男がいるみたいだぜ。」

「は?」

「スーパーの店員に可愛いヤツがいるんだってさ。バイトかな?」

「ふっ、そりゃあマズイな。後で釘でも打っとかなきゃな。」

「…」

「あ、違うぞ!そーゆー意味じゃねーぞ!」

「あったりめーだ。そんな、突然H宣言されても困るし」

「あははは」

「…ちなみに“大ちゃん”のサイズは何寸釘ぐらい?」

「ばかやろ。」



今回の帰国で、清瀬が片桐と会うことができたのは、この日だけとなってしまった。


清瀬にも、それなりに付き合いと予定があり…

1月3日に執り行われる、高校のサッカー部でのOB会を、それはそれは楽しみにしていた。


天気にさえ恵まれれば、母校のグランドにて開催される対抗試合がメインとなり、
その後、
店に移動して飲もうというのだから、

1日がかりの同窓会に、十分に気合いを入れての参加だった。


「あ〜!最近はフットサルばっかだから、やっぱフルはキツいな〜。」


試合中、自らチェンジして休憩をとると、元チームメイトに嬉しそうに愚痴をこぼす清瀬。


「そうだ清瀬、おまえの友達で、喧嘩騒ぎになったヤツいたじゃん?」

「あぁ…大沢?」

「そいつ今、どうしてる?」

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