紅龍 ―2―





「龍。お前俺の背中ばっか見てないで自分を見ろ。俺に憧れを持つな。そうしたらお前は強くなるから。」








「智さん―…。」







言葉が出ない。





何で俺はこんなに弱い。














「大丈夫だ。俺はお前を恨んでなんかない。……周りを見ろ。皆お前の事を思っている。龍。もう重い荷なんて捨てろ。」










何で―…









何で智さんはいつも俺の欲しい言葉をくれるのだろうか―…。











智さんの手が肩から放された。








「龍。俺はお前を弟と思って………………ッ。」





その瞬間、智さんの身体が揺らいだ。






「智。無理しちゃダメだよ。」










急に智さんの身体が揺らいだかと思えばその身体を凄い速さでさっきまで遠くにいたランが支えた。






「智さん!?」






「大丈夫。貧血みたいなもんだから。」






軽いパニック状態になる俺をランが制御する。






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