紅龍 ―2―
空気が歪む。
「念には念をか―…他に誰がこの事を?」
智はこんな事聞いて来るけどきっとそれは
「隼人と兄貴とあっちゃん。余り知っていると後で計画が狂うかもしれないし。
それにその3人には許可を貰ってる。まぁ、無理矢理って感じで。」
「そうか。……まぁ、お前は止めようとしても止まらない奴だしな。」
何もかもを理解している上でなんだ。
「うん。だからお願い。」
「……分かった。」
だから智は迷いを見せない。
「今回の件でも迷惑掛けたのにごめんね。」
「何で謝る?…俺はお前に感謝している。」
智はこの事を誰にも言わない。
龍にだってそう。絶対言わない。
それは私の計画が狂わないように。
「……ありがとう。」
小さく呟き、私は静かに部屋から出た。