紅龍 ―2―




空気が歪む。






「念には念をか―…他に誰がこの事を?」






智はこんな事聞いて来るけどきっとそれは






「隼人と兄貴とあっちゃん。余り知っていると後で計画が狂うかもしれないし。

それにその3人には許可を貰ってる。まぁ、無理矢理って感じで。」








「そうか。……まぁ、お前は止めようとしても止まらない奴だしな。」






何もかもを理解している上でなんだ。







「うん。だからお願い。」










「……分かった。」








だから智は迷いを見せない。







「今回の件でも迷惑掛けたのにごめんね。」









「何で謝る?…俺はお前に感謝している。」







智はこの事を誰にも言わない。





龍にだってそう。絶対言わない。









それは私の計画が狂わないように。







「……ありがとう。」












小さく呟き、私は静かに部屋から出た。








< 113 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop