紅龍 ―2―
「皆。本当にここまで着いてきてくれてありがとう。感謝してるよ。」
皆の視線が私に集まる。
何だかその光景を懐かしく感じた。
「明日は闇夢との喧嘩だよ。負けられない喧嘩だよ。」
そう。負けられない喧嘩。
自分に言い聞かせるように言葉にする。
皆もきっと胸に刻んでくれてる。
私は皆の息を飲む音を聞きながら次の言葉を並べた。
「…―だから。負けられない喧嘩だから、覚悟のない奴は明日こなくていいよ。」
明日の喧嘩はただの喧嘩じゃないから。もしかしたら死ぬ事だってある。だからもし迷いがあるならこなくていいよ。…………それは、足を引っ張るだけ。」
今、私の目の前にいるほとんどの人が揺らいでいる。
そりゃこう口にすれば誰だって揺らぐ。
だって死ぬなんて事言われて揺らがないほうがおかしい。
でも答えは出さなきゃいけない。
「……今日1日は好きにしていい。」
だから時間をあげるよ。