紅龍 ―2―

鬼ごっこ




「蘭。」



「んっ?」




空になった倉庫を眺めていると隼人の声が聞こえた。



「叔父さんのとこ行くの?」




「うん。」





「………どうした?なんか素っ気なくねぇ?」






うん。なんて自分でも素っ気ないなと思う。




でもなんかそんな気分なんだ。







「うーんごめんね。疲れてるのかなぁ?」






だからそう言って笑って見せる。





隼人は一瞬だけ顔を歪めたけど直ぐに戻って、「じゃあ俺も行く。」と私の手を引っ張る。



あっ。



「ちょっと待って。」








足を止めてそう言うと隼人は何でと顔で訴えてくる。





それを見てみぬ振りをして龍達と結真の居るほうを向いた。






「結真と…龍達、何もする事ないなら家来ない?」






そう言った途端に隼人から馬鹿じゃないのと目で言われる。






でも別にいいよ。







私馬鹿だし。








私は何故かポカーンとしている結真と龍達。いつまでも馬鹿じゃないのと言ってきる隼人を無理矢理連れて家に向かった。






だって時間勿体ないし。







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