紅龍 ―2―
力の差
「いや、待って蘭ちゃ―…紅花さん。君達は何を言っているか分かっているの?」
焦り始めたのは以外にも晃人のほうで、龍は固く目を瞑り何かを考えている。
ふっ。
何を言っているか分かっているの?だって?
「お前こそ立場を考えろ。私達が何も考えずにこの頼みをすると思うの?」
晃人を睨みながら低い声を出した。
晃人はもう何も言えなくなったのか、それ以上口を開かなかった。
「………………説明しろ。」
その代わりに口を開いたのは龍。
その瞳には戸惑いの文字がある。
…………説明か―…。
まっしょうがないな。
「いいよ。説明する。」
私は今の紅龍の状況と、闇夢についてゆっくりと話だした。