紅龍 ―２―

｢てか、煩い。｣





耳をふさぐ動作を見せる。





｢だから何で俺等連れていくんだ。｣


｢そうそう。｣


｢俺はランの家にまた行きたい。｣


｢メイドさん―…。｣



私を見事に無視してくれた龍。及び愉快な仲間たち。

また車内が煩くなる。




てか、最後のなに？



…―笹木さんだよね。




｢…―てか、何でって言われても別に訳なんてないし。もしかして暇じゃないの？


あと、笹木さん。車から下ろすよ？他の皆も、煩い。｣






｢｢｢｢ごめん―…。｣｣｣｣




少し苛ついていて殺気が出てしまったのか皆の顔が引きつっている。



まぁ分かったんならいいよ。静かになったし。





｢分かったんなら｢…―俺も納得いかねぇ。｣





｢…―何が？隼人。｣





このタイミングで隼人が入ってくるのは珍しい。




隼人はいつも私の事分かってものを話すから。



隼人はきっと私が今機嫌が悪い事を知ってるのに。







｢…………―どうしたの？｣






何も言わない隼人にもう一度問い掛ける。