紅龍 ―2―




でもそんな時間はすぐに終わってしまう。




だって実際、今私は恭平と一緒に居るのだから。





「今日は鬼ごっこで走り疲れたよ―。」




鬼ごっこはあれからも私と龍の対決だった。





勝ったのは勿論、私。






最後の最後は―…






「にしても、鬼ごっこと言えばあの龍って奴の転け方は凄かったな。」






恭平が笑いながら口を開く。





そう、龍は最後におもいっきり転けたんだ。




こう―…ズド――――ン!!!





って感じで。





本当に面白かった。






私は思い出してプッっと笑ってしまう。





「…………―蘭?」





するとさっきまで大笑いしていた恭平が急に真剣な顔をする。 





「…―ん。どうした?」





こういう時の恭平の扱いは気を付けないといけない。



空気は良いものとは言えない重いものだった。





< 134 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop