紅龍 ―2―
でもそんな時間はすぐに終わってしまう。
だって実際、今私は恭平と一緒に居るのだから。
「今日は鬼ごっこで走り疲れたよ―。」
鬼ごっこはあれからも私と龍の対決だった。
勝ったのは勿論、私。
最後の最後は―…
「にしても、鬼ごっこと言えばあの龍って奴の転け方は凄かったな。」
恭平が笑いながら口を開く。
そう、龍は最後におもいっきり転けたんだ。
こう―…ズド――――ン!!!
って感じで。
本当に面白かった。
私は思い出してプッっと笑ってしまう。
「…………―蘭?」
するとさっきまで大笑いしていた恭平が急に真剣な顔をする。
「…―ん。どうした?」
こういう時の恭平の扱いは気を付けないといけない。
空気は良いものとは言えない重いものだった。