紅龍 ―2―
「…ありがとう。」
そう言って恭平は笑った。
あっ、もう大丈夫だね。
柔らかく笑う恭平を見て私も微笑む。
「…今日はもう寝よう。」
外では優しい月の光が地を照らしていた。
そしてその月の光が恭平をも照らす。
「蘭。」
私の名前を呼ぶ恭平。
その時の恭平は女の私から見ても綺麗だった。
「蘭。明日―…本当にする気か?」
息を飲む。
明日、私がする事。
「何で…知って―…。」
「俺をなめるな。それに俺はお前の―…いや。とにかく、お前は本当にそれでいいのか。」
本当にそれでいいのか。
恭平はそう私に聞いてるけど、本当は聞かなくても分かってるでしょ?
「私は、仲間の為なら命をかけれる。私は―…」
「「皆の笑顔を守りたいから。」」
私の声に恭平の声が重なった。