紅龍 ―2―
「はぁ―…お前は何時だってそうだ。もう止めても無駄なんだろ。」
「うん。」
恭平は私に苦笑いを見せる。
何も言わないけどきっと辞めろと言っている。
でも私には今さら辞める気なんてない。
「…―恭平。私はこれしか方法がないと思ってる。」
そう。それしか方法がないから。
みんなの笑顔を守るためには。
私は手段を選ばない。
例えそれがどれだけのリスクを背負っていようと…
「闇夢にはきっと力では勝てない。…―だからこっちは頭を使う。」
何も言わない恭平を見つめて言う。
闇夢に勝てないのは事実。
あっちは本職なんだから、今の力だと自分の身を守るので精一杯のはず。
力が駄目なら頭だ。
でも、あっちも頭が回るとしたら―…?
もし―…失敗したら?
そうなったなら私は……