紅龍 ―2―
そう言って恭平に柔らかく笑う。
そしてその震える体をそっと包み込んだ。
「……本当に?」
恭平の弱々しい声。
ごめんね。こんなに心配させて。
「うん。約束―…だよ。」
私は恭平の頭をポンと撫でた。
「約束。約束だから。」
恭平の顔を覗くと恭平は柔らかく笑い、瞳を閉じた。
「おやすみ―…。」
外では月がさっきと同じ、優しく光を放っていた。
恭平―…約束。守るから…ね。
私は部屋の扉に足を進めた。
そっと扉を開ける。
「もういいよ。…―話し声聞こえた?」
「いや。大丈夫だ。」
「…―そう。」
そこにはもう特効服を着た隼人がいた。
「準備は?」
「出来てる。」
「あとどの位?」
「三時間はあるから寝てろ。」
携帯を開く。
2時10分。
あと三時間か―…。
「親父と兄貴、それから智さんは多分もう出掛けてるから家の事よろしく。」
「あぁ。おやすみ。」
「うん。おやすみ―…。」
私は隼人を残して部屋に戻った。