紅龍 ―2―
仲間
窓から見える空は朝日に照らされてはいなかった。
ポツポツと雨が降っている。
私はそれをじっと見つめる。
どのくらいこうしてた?
時計の針はチッチッと進みながらもうすぐ5時にたどり着く。
“時間が止まってしまえばいい。”
ふとそう思ってしまう。
隣では恭平が規則正しい寝息を立てていた。
きっと最近は“仕事”が忙しかったのだろう。
ぐっすり眠る恭平の頭をそっと撫でる。
「行かなきゃ―…か。」
小さく呟いた。
それと同時にテーブルに置いていた携帯が音を立てて震えた。
こんな時間に―…
誰―…?
「…―もしもし。」
「……………――。」
「もしもし。」
「……―私です。国分です。」
携帯から聞こえる声はあまりにも目覚めが悪いものだった。