紅龍 ―2―
「何の用ですか。国分さん。」
声のトーンが一気に下がる。
国分―…。
私は恭平を起こさないように部屋から出た。
「ははっ。どうやら俺は紅龍の姫さんに嫌われているようで。」
「………―だから、何の用だって聞いてんの。」
携帯の向こうで馬鹿にしたように笑う国分に腹が立つ。
何?私を馬鹿にしにきたの?
「ふっ。用だって?そんなの今日の事についてだろ?」
「だから今日がなに?」
「無いんだよ。」
「だから何が?」
主語のない会話にさらに腹が立つ。
私は小さく舌打ちをした。
「俺等の銃全てがない。」
…―だから銃が全部無いったって。
「それがどうしたって言うの。」
そんな私に有利な情報をなぜわざわざ言うの?
私は意味が分からず頑張って頭をフル回転される。
「それがどうしたって!?それはお前らが『だまれ』
耳がキーンとなるようなデカイ声と共に冷めた恭平の声が聞こえた。
恭平の手の中―…
何でいつの間にか私の携帯持ってんの。