紅龍 ―2―
「恭平。返して。今、大事な話してる。」
私はそう言って手を開いて恭平に向ける。
でも、そんなのは無駄な話で「あっち行ってろ。」と手で払われる。
「だから大事な話してる。」
言葉で反撃したって、
「俺が聞いといてやるから。」
と変な感じで流される。
てか、どうやって私から携帯奪ったんだよ。
いつ奪ったんだよ。
マジいつの間にかだよ。
それにいつ起きた。
…―奪い替えそうとも背の高い恭平には適わない。
大事な話してたのに…
ってしてたっけ?
ん?何話してた?
「あの、恭平だっけ?誰だか知らないけど、俺は紅龍の姫さんと話したいんだけど。」
頭を抱えているとあのうざったい声が聞こえた。