紅龍 ―2―
「何言ってんのお前。」
俺の言葉を聞いて国分とか言う奴のトーンが下がる。
「だから、お前等の銃盗んだの俺だよ、俺。」
俺はそれを楽しむように鼻で笑った。
だって今の国分の顔が正確に頭に浮かぶ。
“何を言ってるか分からないって顔”
きっと奴は眉間にシワを寄せて頭を使って考えてる。
そうしてこう口にする。
「お前誰だ。」
「お前誰だ―…だろ?」
まぁ、そう思うのもしかたないか。
でも聞かれたって教える気はないよ。
お前に教える事は俺の名前なんかじゃない。
「俺は俺だ。それより―…お前等は銃ともう一つ、仲間を何人か奪われただろ?俺に。」
国分の息を飲む音が聞こえた。