紅龍 ―2―
「――――………。」
誰も口を開かない。
ただ音を鳴らす時計の針はもう午前2時を指している。
時間が経つのは早い。
この間に闇夢は準備を進めている―…。
時間がない。
私はこんなところで龍の言葉を待っている時間も勿体ないと思う。
「もういい。龍。答えはまた聞きにくる。でも学校には多分行かないから電話を頂戴。隼人。今から徹底的に体力作りを私直々に下に教える。午前6時に倉庫と連絡を入れて。」
私はこのまま永遠にこの時間が続くような気がして逃げるように部屋を出た。