紅龍 ―2―
「…………――そんな事。」
やっとの事出たという国分の声は弱々しい。
「あり得ないとでも言いたい?顔も同じ、声も同じ。仕草まで同じもう一人のクラマチさんが居るなんて。」
こんな奴、国分なんて今すぐにでも潰せる。
こんな事で崩れるなんて。
弱い―…。
「お前は誰だ―…。クラマチさんはどうした!!そんな嘘事並べ立てて何がしたい。何もかもが同じ人間なんて居るわけないだろ!!」
本当に弱い。
もう自分も保てず大声をだす国分。
「ふっ。何言ってんの?何もかもが同じ人間?そんなの居るわけ無いじゃん。」
「なっ―――…………。」
「初めから居たんじゃない。作ったんだよ。」
闇夢組長。国分。
どんどん崩れ落ちれば良い。
でも潰しはしない。
俺は蘭には適わないから。
国分は蘭が潰す。
俺じゃない。