紅龍 ―2―



「…………――そんな事。」



やっとの事出たという国分の声は弱々しい。




「あり得ないとでも言いたい?顔も同じ、声も同じ。仕草まで同じもう一人のクラマチさんが居るなんて。」



こんな奴、国分なんて今すぐにでも潰せる。




こんな事で崩れるなんて。



弱い―…。




「お前は誰だ―…。クラマチさんはどうした!!そんな嘘事並べ立てて何がしたい。何もかもが同じ人間なんて居るわけないだろ!!」




本当に弱い。



もう自分も保てず大声をだす国分。



「ふっ。何言ってんの?何もかもが同じ人間?そんなの居るわけ無いじゃん。」



「なっ―――…………。」 



「初めから居たんじゃない。作ったんだよ。」





闇夢組長。国分。




どんどん崩れ落ちれば良い。




でも潰しはしない。




俺は蘭には適わないから。



国分は蘭が潰す。




俺じゃない。





< 150 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop