紅龍 ―2―
「誰だ。」
電話に出てすぐこのトーン。
こいつはいつもこうだ。
「俺だよ。」
「二ノ宮か?」
「あぁ。」
「どうした。」
「国分についてだ。情報が欲しい。」
「いきなりなんだと思えば。国分かぁ―…奴は厄介だ。」
「やっぱりか―…。」
「あいつは頭がいい。何事も先を見ている。まるでお前のように。」
「俺―…か。」
「あぁ。まぁ、お前のほうが上だけどな。」
そう言うと奴は笑った。
「国分は仲間を知らない。」
「そうか。」
「あぁ。俺からはそれだけだ。…―あと蘭ちゃん大丈夫か?」
「あぁ。ありがとう。お前も今度会えば良い。」
「分かった。」
そういった奴の声を聞いて携帯を切った。