紅龍 ―2―



だって蘭は俺の心を読む。




俺が感じてる事が蘭は分かる。





「…―恭平。」 




「ん?」





「私が闇夢に負けるかもって思ってる?」





「……―。」





やっぱり。





またばれる。




「恭平さっきから殺気でてるよ。…―大丈夫。私は国分に負けないから。」




蘭は俺から目を離さない。



でも俺は目を合わせる事が出来なくて。




「私は約束を守る。恭平、信じて。恐がらずに。私は恭平を1人になんかしないから。」



「………―。」




恐い。





そう恐いんだ。




でも別に蘭を信じてない訳じゃない。




ただ、もしもの事が恐いだけ。





蘭は俺にとって命に変えても守りたい人だから。





だから今すぐにでも国分を潰しに行きたい。




上の者としてじゃなく、蘭を守るために。



でも、



「分かった。蘭は―…強いからな。」




そんな事蘭は望んでないよな。





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