紅龍 ―2―
何かが破裂したように恭平は次々と気持ちを伝える。
「俺は生きる目的を失いたくない。蘭は俺にとって命に変えても守りたい人だから。」
でもそういった恭平の目はいつもの恭平の目だった。
私は恭平にとって命に変えても守りたい人か。
素直に嬉しいと思う。
でもそんなに私は対した人じゃないよ。
私は小さく笑った。
それを見た恭平は目を見開く。
「ふふっ。ありがとう。大丈夫よ―…ただ忘れないでね。私にとっても恭平は命に変えても守りたい人。ここで無理をすれば恭平の首を締めてしまう。」
「あぁ。分かってる。」