紅龍 ―2―


「恭平は立場を忘れないで。」



「あぁ。」





頷いた恭平を見て私は足を一歩前にだした。




大丈夫。





恭平はちゃんとやる。





私も、ちゃんとやる。





「じゃあ、行ってくるね。」



「行ってらっしゃい。」




さっきした会話をまたする。




大丈夫と呪文ように心に刻みながら。




私は恭平をせに隼人と車に乗り込んだ。



「…―隼人。兄貴に連絡入れて。」





車に乗って倉庫に向かう。




時間はギリギリだろうか。



だからこの車の中での移動時間も無駄に私はしない。



気持ちを切り替えないと。




私は隼人を横目に瞳を数秒間閉じた。




< 158 / 308 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop