紅龍 ―2―




もうすぐ倉庫に着くと言うとこでふと意識を戻す。





『覚悟のない奴は明日こなくていいよ。』




仲間に向かって言った言葉が頭を駆けた。




あの時は皆の覚悟が知りたくて言ったけど―…。





今思えば間違った選択だったかもしれない。





もし半分も来ていなかったとしたらどうする。




そんな事はないと思うけど―…。




車から見える景色が見慣れたものになる。




その中から無意識だけど仲間の姿を探した。




倉庫に向かう覚悟のある仲間を。





でもそんな人なんて1人も見えない。




私から小さなため息が零れた。





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