紅龍 ―2―



その私の姿を見て笑った隼人。




それに気付かない私は倉庫に着くまで外をじっと眺めていた。





「はぁ―…。」




そして何分かして車は倉庫の前に止まる。




「皆は中で待ってる。」




そう呟いた隼人の言葉に息を飲む。




どのくらい来てくれている?




私はうん。とだけ言って足を倉庫に進めた。





人の気配を感じさせないほど静かな倉庫へと。




あぁ。恐い。




皆の覚悟を知るのが。





私は倉庫の入り口に手を掛けた。




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