紅龍 ―2―
「なに言ってんの―…京花。」
私の目の前には片手に缶を持った京花が居た。
あの速さの缶を受け取った?
私は京花の持つ缶をじっと見つめた。
でも今はそんな事考えてる暇はない。
なんで居るの?それに…―母さんからの伝言って。
「何で恭平なの。」
「なにが?」
「母さんはあの約束の事言ってるはずでしょ?何でそれに恭平が関係してるの。」
「本当はもう分かってんじゃないの?」
京花が私を鼻で笑う。
「蘭ちゃんは誰よりも頭が回るはずだよ?…―私よりもね?」
そう言って。
その笑顔の影には母さんがいる。