紅龍 ―2―
「…………―。」
母さんとの約束。
それに恭平が関係する意味を私は知ってる。
でも何で恭平?
「期間はきっと長くなるよ。直ぐには終わらない。」
そう言った京花を見つめる。
「蘭ちゃん。本当にいいの?」
前にも誰かに言われたその言葉。
私はこれで良いのか。
そんなの決まってる。
「私はこれで良い。」
他に答えなんてないんだ。
京花を見つめる。
私は京花越しに母さんを浮かべた。
「母さんに言っといて。」
「うん。」
「約束は破らないって。」